行列のできる英智
過酷な練習
壮絶な上下関係
怪物との出会い
少年野球を始めてから自分が如何に小さな世界で胡坐をかいていたかを思い知らされた。
如何に小さな世界でブクブク太っていたかを思い知らされた。
そんな私にもチャンスは巡ってくる。
あくまで少年野球。
高校野球やプロのように顕著に実力社会というわけではない
故にどんなに実力がない子にも経験として試合出場機会が巡ってくる。
私にとっての初めての試合は最終回のライトの守備であった。
守備固めである。
プロ野球で言うところの英智である。
私の守備力が買われたのか
はたまた
あまりにも打てる希望がなく
経験とはいえこんなデブでワンアウト献上するのは監督の野球人としての最後のプライドが許さなかったのか
真相は闇の中だが。。。
舞台は河川敷
Cグランドと言われる
本当に最後の最後にしか使わないグランド
朝降っていたら確実に中止レベルの大雨の中。
「最終回まで来ちゃったからもうやっちゃうか」
てきなテンション
交代を告げられベンチからライトまで全力疾走をする
くっさいグローブを左手にはめて。。。
1人目の打者
三振
よかった
球よ。来るな
心の底から願った。
大雨だからとか関係ない
どんなにカンカン晴れだったとしても来るな
自分の実力が120%発揮されたとしても
私が球を取る可能性なんてない
奇跡が起こらない限り・・・・
2人目の打者
サードゴロ
サードからファーストへの送球の際に
ファーストのカバーに入る
「ナイスカバー!!」
褒められる
もう十分だ
雨でバレないと思って思いっきりニヤニヤした
野球をして初めて褒められた
もう試合よ・・・
終わってくれ。
三人目
ファールが続く。
少しでも右側に打球がこようもんなら
ビクッとして心臓が飛び出る
飛び出た心臓を胸に収納する
こんな作業の繰り返し。
そして迎えたその瞬間。
ボールが来た!!
来た。しかし真正面ではない。
ややライト寄りではあるがセンターとライトの間。
もはやセンターの守備範囲内といっても差し支えない打球。
というより、ライトがこんなに太っているのだ。
常識的に考えてセンターが少し頑張って捕るべきだ。
しかし!!
ここで常識を嫌うのが佐野少年!!
非常識な太り方
非常識なグローブの臭さ
こんなにも破天荒な選手なのにここにきてなぜ常識通りにプレーできようか!!!
私は走り出した!!
打球の軌道を読み
打球を見ながらではなく
落下地点を予測し、その地点まで全力疾走をする。
グローブを出しながら走ると減速要因になる。
グローブを小脇に抱えて
落下地点ぎりぎりまで走る
しかし。如何せん太っている。
ダッシュと言っても、速度は赤ん坊のハイハイの4分の1に相当する速さ。
「厳しいか・・・」
そんな声が聞こえてきそうな雰囲気。
でも諦めたくなかった。
滑り込んでやる。
もちろん、滑り込んで捕れない時の恥ずかしさは国外逃亡したくなるレベルである。
しかし。
ここで諦めてヘラヘラする方がその何倍も恥ずかしい行為だと考えた。
横っ飛びをするイメージでボールに飛びつく。
しかし、滑り込んだことなんて一度もない人生。
なんかわかんないけど膝から滑り込んでしまった
イメージでいうとサッカー選手がゴールし後にサポーターがいる席に向かって滑り込んでいく感じ
膝を滑らせてガッツポーズする感じ
膝から滑り込みボールへ腕を伸ばす
入った
キャッチした。
時が止まったようだった
雨の後だけが河川敷にこだまする
グローブに入ったボールが
「くさっ」
と一言言った
その一言を合図に世界に音が取り戻される。
湧き起こる歓声
踊り狂う選手たち
対照的に愕然とし声を発することができない相手チーム。
私は小躍りしながらベンチへ帰る。
キャッチしたボールを審判の渡す。
私のグローブの中で息絶えたボールは打球だったときはあんなにも白かったのに
腐ったミカンのような色となって審判に返還された
「野球は楽しい」
そう思わせてくれた瞬間だった。
このシーンがあの瞬間までの私のベストシーン。
< /p>
え?あの瞬間っていつ?
だって?
それは次回のお愉しみ・・・・
英智を創った男達
2018/日本 上映時間106分
監督・脚本:きうちかずひろ
原作:木内一裕
脚本:ハセベバクシンオー
企画:加藤和夫
プロデューサー:菅谷英智
キャスティングプロデューサー:福岡康裕
撮影:的場光生
照明:岡田佳樹
録音:加来昭彦
美術:平井淳郎
装飾:篠田公史
編集:須永弘志
音楽:諸藤彰彦
音楽プロデューサー:津島玄一
アクションコーディネイト:二家本辰己
ガンエフェクト:納富貴久男
VFX:鹿角剛、村上優悦
助監督:谷口正行
ラインプロデューサー:原田文宏
プロダクションマネージャー:杉崎隆行
製作担当:早川徹
製作統括:木次谷良助
出演:遠藤憲一、岩井拳士朗、白鳥玉季、小宮有紗、中西学、酒井伸泰、安藤一人、渡部龍平、渋川清彦、成瀬正孝、阿部進之介、竹中直人、高畑淳子、要潤
パンフレット:★★★☆(720円/3本のコラムは読み応えアリ。遠藤憲一さんのインタビューがと被るのは仕方ないんだろうけど少し残念…)
(あらすじ)
小学2年生の少女・栞と2人で探偵事務所を営んでいる元ヤクザの矢能のもとに、一本の依頼の電話が入る。矢能は指定された場所に向かうが、依頼人はすでに拳銃で撃たれて死体となっており、矢能が容疑者にされかねない状況が作り上げられていた。矢能はすぐさま対処しようとするが、事態は思いがけない方向へと進んでいく。(以上、より)
予告編はこんな感じ↓
95点
※この記事はに従って書いています。
一応、監督作はチェックしておきたい気持ちがあったんですが、ちょうど公開した11月16日ごろから仕事の忙しさが加速した上にもあって、なかなか観に行けなくてね…(遠い目)。公開規模が小さかったせいか、やっと仕事がひと段落した12月10日には、都内の上映は軒並み終了状態だったということで! 関東最終上映日の12月13日、早起きして、川崎のの9時50分からの回を鑑賞いたしました(その後、橋本に移動して、とをハシゴ)。今、住んでいるところから川崎駅に9時半ぐらいに到着するには家を7時半には出なくちゃいけないし、チネチッタは割引の適用が難しい=1800円の映画料金を支払わなくてはならなかったので、少しだけ「DVDレンタルか動画配信で観ればいいかな…」と日和ったりもしたんですが(汗)、結論を書くと観に行ってスゲー良かったYO!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォォッ! まさに、ですな。
2番スクリーン、10人ぐらいいましたよ、確か。
そりゃあ、的な低予算感がないとは言えませんよ(奥歯に物が挟まったような文章)。ただ、「元ヤクザ幹部の子連れ探偵」という主人公のユニークな設定は好きだったし、劇中で起きる事件の数々はそれなりに非道くて好みだったし、登場人物たちとの軽妙な会話は愉快だったし(きうち監督作の竹中直人さんは好きさ!)、殺し屋の正体が「若き空手家」で彼の青春模様が少し描かれるのも良かったし(岩井拳士朗さんが熱演!)、それまでに出てきた要素(「兄貴分のヤクザを殺しちゃった」等)を駆使して「道を外れた政治家」を罠にはめるというラストは爽快だったし…。なんて言うんですかね、遠藤憲一さんを始めとする“イイ顔の役者たち”がアウトローをサラッと演じるカッコ良さが全編に満ち満ちていて、僕には本当に作品だったのです。すべての事件が解決した後、矢能が少女・栞に「オレの子どもになるか?」と聞くやり取りはね、ホッコリしつつも涙が止まらなかったです… (ノω・、) キテヨカッタ…
この2人のやり取りなら永遠に(「無限に」でも可)観ていられる自信があります。
念のため、鑑賞中の僕の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(より)。
もうね、鑑賞直後は「今年ベスト!m9`Д´) ビシッ」と思うぐらいにストライクでしたよ、マジで。とりあえず監督が本名の木内一裕名義で執筆したも読む気マンマンだし、ぜひシリーズ化してほしいというか。を観た時も思いましたが、“このぐらいの作品”がコンスタンスに劇場公開されてほしいなぁと。ちくしょう、本当はもっと長文を書きたかったものの、この年末はアップしなくてはならない記事が多すぎるのでこの辺で止めておきますけど、やの作品が好きな方はマジでオススメですぞ。
木内一裕先生による原作小説。ちくしょう、読むぜ!
矢能も登場する、きうちかずひろ監督作(演じたのは成瀬正孝さん)。オススメでございます。
を三池崇史監督が実写化した作品。僕の感想は。